私はこの宙を何よりも尊いものだと信じます。
自分にそれだけ言う為に走ってきてくれたのかと思うと、嬉しくて嬉しくて、放課後早く会いたいなって思ってダッシュで学校傍の家に帰って、急いで準備して待ち合わせの場所の式台前についた。
悠と舞華は家が遠いから学校に居たらしく、一緒に喋って待っていた。
「本当に仲良いなぁ…」
私はブツブツ言いながら二人の隣で座っていた。
「多架っ、何一人でブツブツ言ってんの??ハゲるよ??」
「え…、独り言ってハゲんの?それはヤダっ!」
私が慌ててキョドると二人は顔を合わせて大爆笑した。
「悠っ、多架ってホントうけんね!」
「だねー、これだもん奴が多架の事好きになるわけだっ」
えー!私の事好きになる奴なんて居んのかっ…。やばしっ…。て思ったのもつかの間。
「そだー多架っ、好きな人いんの?」
いきなり悠が聞いてきた。
「いるよ…。多分、その人にも好きな人居ると思う。」
そんな言葉しか出なかった。だって、宗樹は砂織と付き合っているから…
「そうなんだぁ…でも、それってどこのクラスの奴??」
「えっと、うちのクラス…」
「ウチが自分のクラスの人で好きな人知らない男子なんて居ないんだけど…」
「そうなの?はーチャン物知りだね。」
そんな言葉しか出なかった。だって、宗樹は砂織と付き合っているから…
「まぁね、で…誰なのっ?」
悠と舞華はちゃんとわかってくれそうだと思ったから宗樹の事が好きな事を話した。
すると私の好きな人を知ったとたん二人はまた顔を合わせて大爆笑した。
「多架知らなかったんだ!砂織と宗樹別れたんだよ?」
私はそれを聞いた途端目をまん丸にした。
「なんかねー、宗樹は他の子の事好きになったからって電話で振ったらしいよ。」
別れたって聞いて嬉しかったと思ったのと同時に他の子って誰なのかが気になってしょうがない。でも、それとは逆に悠と舞華はニヤニヤしている。
「すんません、遅れた。」

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