初恋の向こう側
「球技大会なんて、たいしたことないって!
そのぐらい大丈夫じゃなかったら俺、体育の授業も出れてないし」
笑いながら答える。
「でもよーアズマ、無理はすんなよ?」
「あたしもそう思う」
「わかってるって」
オサと愛莉に助言されてる最中も、ヒロは黙ったままだった。
……その帰り道 ──
オサ達と別れた後も、やけに口数の少ないヒロ。
「ヒーロ! どうした?」
「……何が?」
「だって、あんま喋んないから」
顔を覗きこむと、急に立ち止まったヒロ。
でも、下を向いて黙っている。
「ヒロー?」
「……サッカー」
「ん?」
「球技大会の種目の話! サッカーにしたのは、どうして?」
勢いよく顔を上げ、詰め寄られる。
「どうしてって言われても、特別な理由なんてないよ。
去年はバレーだったから、今年はサッカーにしようかなーって。単にそれだけ」
軽~く答えたのに、ヒロはキツく俺を睨みつけ、納得いかないって顔してる。