初恋の向こう側
その時だった。
「お兄ちゃん、お母さんが茉紘ちゃんも一緒に晩ゴハン食べていかないかって。どうするー?」
ドアを開けて入ってきたのは真央。
振り向くと、その表情が笑顔から一変、ポッカ~ンって口が半開きのアホ顔になった。
やばっ!
慌ててテレビの画面を確認すると……うわっ 早っ!! もう脱いでるしっ。
まだ始まったばっかのくせにどんだけだよ。
俺は急いでリモコンに手を伸ばしスイッチを切った。
暗くなった画面に向かって「あ」と声を漏らしたヒロと、入り口で固まったままの真央。
気まず~い沈黙が流れる。
「ヒッヒロ、母さんが晩飯食ってかないかって……な、真央?」
「う、うん」
「やったー!! ご馳走になりまーす。じゃあ続きは食べ終わってから観よっか?」
「はー!? な、何言ってんだよ? 真央もいるのに」
「そっかぁ18禁だもんね。だったら梓真もダメじゃん。『これ観て勉強しよー♥』なんて誘ってきちゃ」