君を想う
「ごめんな?」


「へ?」


さっき謝ったのに また謝ってしまった


「なんで朔哉君が 謝るの?」


なんでって・・・


「お前の事・・・傷付けたから」


あんなバカみたいな事して


麻美は傷付いたに決まってるのに


「・・・ちょっとビックリした」


そう言いながら 俯いた


少しだけ 顔が赤い


「でも・・・嫌だったんだろ?」


「・・・(コクン)」


だよな


でも 自分でも身体が言う事を


聞いてくれなかった


「私・・・傷付いてないよ」


「え?」


「ちょっと驚いただけだから・・・


気にしないで?」


顔を上げながら 麻美は


笑ってそう言った


でも・・・やっぱり無理して


笑っているように見えたんだ


「・・・足 平気か?」


「うん・・・少し


痛いけど大丈夫」


そう言いながら 麻美は教室に入った
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