青春。[短編8P]
…青山くんは
まだ、来ていなかった








ふと
見慣れた自転車に
目が止まる








淡い緑色の自転車






それは








青山くんの自転車











周りに誰もいないのを
確認して



そっと触れてみる








サドルの後ろ…








ここに
“彼女”が座るのだろう









胸がチクンと痛む









「遅れてごめん。じゃあ、帰ろうか」







青山くんがやって来た







自転車を動かして
乗らずに立っている







…あ




また、私に合わせようとしてくれてるのかな…







「行こう」





青山くんが進みだした






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