RED×HEAVEN
「この手で…ルナの首を締めた。

全く抵抗しないアイツの首を力一杯…


今でもこの手にその時の感触が残ってるんだ。


ハッキリと…


ルナは息をしなくなる直前に笑ったんだ。


兄ちゃん、ありがとうって…


苦しかったんだと思う。


辛かったんだと思う。


それでも…


殺していいはずがなかった。


アイツは生きていないとダメだったんだ…」



初めて会った女に話しているうちに、あの時の情景が鮮明に蘇り、また涙が出た。



もう渇れたものだと思っていた涙が出て、戸惑った。



俺は、話す事を止めなかった。



何故か、止められなかった。
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