RED×HEAVEN
突然、フワリと甘い香りが柔らかく鼻を刺激した。



香りにつられ、それまで閉じかけていた目を開き、正面を向いたその瞬間。



落ちた。



女が目の前に立っている。



髪は明るい茶色で、色白の女。



女は無言で俺の隣に腰を下ろした。



そうする事が元々決まっていたような、何の躊躇いも感じさせない動きだった。



そう。



決まっていた。



この瞬間に出逢う事は、ずっと前から決まっていた事。



それくらい、今一緒にいる事が自然な事だった。
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