RED×HEAVEN
気が付くと、ルイは俺の隣にいた。



恐ろしく自然に、そして恐ろしく不自然に、俺たちは一緒にいた。



触れる事も出来なければ、自分の名前以外の事を教える事も出来ない。



いつか消えてしまうはずの俺の素性を教えるわけにはいかなかった。



自分が幽霊である事はもちろん、他の細かな事も、ルイの中に留めてはいけない気がした。



俺がいなくなった時に、少しでも早く忘れてもらえるように。



ルイの中に俺を残さないように。
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