RED×HEAVEN
「もうすぐ、男は女の人を殺そうとする。守って」



俺はまた小さく頷いた。



だが、その為にはルイを安全な場所に避難させておかなければならない。



「なぁ、ルイ。俺、今から仕事なんだ」



大丈夫。



嘘はついていない。



「え?あー、そうなんや。仕事って…?あぁ、ごめん。なんでもない。わかった。そしたら今日は帰るわ」



ルイのこの控え目な発言に、心底申し訳なくなった。



騙してごめん。



何も言えなくてごめん。



だけど、仕事はしないといけないんだ。



ルナへの償いを放棄するわけにはいかないんだ。
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