友空物語
そこには
桜の木かもわからないくらい
花が散った木々があった


夏希「え??
なんで桜の花ないの??」と言った


友ちゃん「昨日 あんだけ

雨降ったんだもんそりゃ花も散るよ」と
言った


すると
夏希は 翔一のほうを向いて

夏希「昨日雨なんて降ったっけ??」と
言って首を傾げた

翔一「夏希は
爆睡して雨なんか気づかなかったんだろ」

夏希は首を傾げた

翔一「俺なんて、
昨日雨の音うるさくて
全然寝れなかったし」

友ちゃん「そうそう
しかも雷鳴ってたから

あたし怖くて寝れなかったよ」

夏希は
まだ首を傾げている


翔一「あんなにうるさくて
夏希、よく寝れたな」


昨日は
今年最大と言っていいほどの
記録的豪雨が降ったのだ


桜の花が散ったのだろう


だから
桜の花一枚ないし
お花見をしている人なんて一人もいない

友ちゃんも
龍太といっしょにここに来る前に


友ちゃん「多分
桜の花散っちゃって
お花見なんてできないよ」と龍太に言っていたが


龍太「いや
もしかしたら奇跡が起きて

桜の木は無傷かもしれないだろ??」と

龍太に友ちゃんは
無理矢理連れて来られたのだ


すると
仁と春那が来た


仁「龍太があれだけ
メールするから来てみたら

花なんてひとつもないじゃいか」


春那「本当だね……」


龍太「桜…… 俺の桜が………」と
放心状態だった


翔一「桜がねーならしょーがねーだろ」


龍太の肩に手を置いた


龍太は
放心状態のままで
その場を動こうとしない


すると

友ちゃん「こいつは

あたしが無理矢理帰らせるわ」


翔一と夏希は
龍太を友ちゃんに任せて帰ることにした

河川敷を去り

翔一と夏希は家に向かって歩いていると

夏希「残念だね お花見……」と寂しそうに言った


翔一「まぁな」


夏希「あーあ、お花見したかったな~」


翔一「まぁ
花がないんじゃな~」


夏希「またひとつ
思い出ができる機会が無くなった……」とボソッと言った


翔一には
何を言ったかは
聞こえなかったが
夏希の表情が悲しそうなのはわかった

< 10 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop