木苺の棘
男の元へと駆けて行く
アリスの後姿を
何度も思い出す、漣。

苦笑する漣に、チアキは
問いかける。

「アリスに逢ったのか?」

漣の表情が変わる。

「逢ったんだな・・・
 
 俺、言ったよな?
 アリスには絶対に
 逢うなって
 
 ヤエの、あの件が
 ある以上
 お前達は逢えば、必ず
 傷つけあうだけだ

 いい加減に・・・」

漣の大きな声が
部屋中に響く。

「分かってる
 分かってるよ

 俺は、アリスを
 傷つけるだけの存在・・・
 
 俺達に、未来は無い

 チアキ、心配すんなよ
 アリスには好きな奴が
 いるんだ

 すごい、かっこいい
 大人の男・・・」

スーツと煙草の似合う男。
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