木苺の棘
「ごめんね、ヤエ」

でも、私

たまき先輩が好きなの。

朝が来る・・・

「ごめんね」

流れる涙・・・

私は、たまき先輩のお腹
に腕を回した。

「アリス、起きたの?」

貴方は、寝返りを打つ。

「うん、今・・・」

私は指先で、さっと
涙を拭った。

私達は、横たわったまま
見つめ合う。

瞳・・・

赤い瞳のアリスは、先輩から
視線を逸らし、起き上がり
タオルに体を包む。

「私、顔洗う・・・」
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