木苺の棘
15時間以上の時差を越えて
私達は国際電話で話す。

「何でもないよ
 
 ねえ、レン、詳しい日程
 まだ、決まらない?」

「ああ、レコーディングは
 再開できて、順調に進んでは
 いるけれど、 その他の事が
 まだ何ひとつ決まらなくて
 当初の発売予定日も
 このままだと、少し
 遅れるかもしれない
 正直、今は何ともいえない」

「私の事、原因?」

『・・・どろどろ三角関係?』

週刊誌・・・

私は、聞きにくい質問を
思い切って、漣に投げかける。

「レン・・・ 
 週刊誌、見た?」

「いやっ、見てないよ」

漣は、あの雑誌を見ていない

漣の言葉に、ほっとする私。
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