幼なじみは俺様彼氏
晩ごはんの時間になって、楓を起こしに行った。




俺と違ってすぐ起きる。





メシを食ってからは、親父とゲームしてる。





つか、親父弱い…。






『さっき寝たから眠くない!!』

「だろーな。」

『海クン、徹夜しよ?』

「バカじゃねぇの!?しねぇ!!」

『ケチ〜』





楽しそう。




でも楓が楽しそうなほど、どうすればいいかわからない。




情けない。




自分がイヤになる。





「クソ…!!俺はどうすればいいんだよ…!!」





小さく呟いた言葉は誰にも聞こえてないはずだったのに。




香保里には聞こえてたみたいだ。





「奏汰…あんたも悩みすぎないでよ?」

「香保里…。」

「あんたまで声出なくなったりしたら…。」





香保里はそう言って台所に戻った。




知ってる。




香保里が影で泣き続けてること。




楓のことだけじゃなくて、俺のことでも。




あの時、俺は全員を苦しめたんだって改めて思った。




楓…。




俺に楓を助けられるか?





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