自伝
結局、朝まで早瀬さんを待ち続けた。

始発で家に戻り、シャワーを浴びて服を着替えてすぐまた会社へ向かった。


「なんな、バカみたいだな…もう…終わりにしようかな…」


電車の中で泣いた。

この日

ゆかりが会社を辞めた。

早瀬さんは何時もと変わらずにしてた
この日は出先から直帰だった為、早く仕事を終わらせてお茶を飲む事にした。

「綾…昨日は悪かったな…。待ったのかな…?」


「いえ、帰りに早瀬さんとゆかりが車で出るの見たんで、そのまま帰りました」


こんな嘘ついても仕方ないけど、ずっと待ってたこと…なんとなく知られたくなかった。

小さな私のプライドなのかもしれない。

「そっか…」

「…」


それから、特に早瀬さんからゆかりの話しも出て来なかったから、昨日あの後ゆかりとどうなったのかとか何故、会社を辞めたのかは分からなかった。

私からも聞く事はしなかった。


「早瀬さん」


「どうした?」


「私達も終わりなんですか?」


「!?
何言ってるんだよ!
綾に心配させたくないから石田には、諦めてくれるようにお願いしたんだぞ!」


そうなんだ…
でも、どうしてだろう…あんまり
嬉しくないや…。

私がヤキモキをやいていると思ってる早瀬さんは私のご機嫌を必死に取っていた

「そうだ!綾 夏休み近なったらさ、車の免許取っておいでよ」


「免許?」

「そう、合宿なら直ぐ取れるから」


「合宿ですか?
何処まで行くんですか?大体そんなお金持ってないです」

ふてくされた表情で答えた。


「馬鹿だな!営業なんだから車の免許必要だろ~だから、会社に出してもらえばいいんだよ」


「それなら…行ってきます。」


「よし!早速手続きしといてやるな(笑)」

その言葉のとおり8月の初めに合宿で免許を取りに行く予定が、決まった。

場所は福島のいわきだ。お盆休みも重なるため空きがあったのはそこだけだった。
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