優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】
問題はないよね。


一生帰ってこないわけじゃないんだから。





「ゴチャゴチャ言ってっと、荷物なしで連れてくぞ」




えっ?それは嫌。


なんかイライラしてるのがすごく伝わってくるし、逆らわない方がいいかな?






「ママたちはいつまであっちにいるんですか?」


「…さあな。とりあえずしばらく暮らせるだけの荷物を用意しろ。またいるものがあれば取りにくればいい」


「…………はい」





あたしはお兄さま…いや、この怖い男にこれ以上逆らえなくて荷物をまとめる事にした。





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