ダブルハーツ


例え、この人がお兄ちゃんに似ていたとしても――


「似たような、ものです……」


曖昧な返事をした。

「君はいつもそうやって、誤魔化すのか?お兄さんって言って、あの時抱きついてきたよね?」


ああそっか、とその人はYシャツの胸ポケットから、長方形のケースを取り出した。
外灯でキラリと銀に光る。
一枚の紙片を私の前に出して、


「遠川光哉(とおかわこうや)っていうんだ。君は――言いたくないなら別に、構わないけど」
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