かけがえのないキミへ


素直、なんて簡単に出来るわけない。
素直になるには、どれだけの勇気がいるってこと…俺はまだ分からなかったのかもしれない。


胸の中にいる綾音を、いつまでも守っていきたいと、思ったんだ。
これは素直な気持ちだよな?
だって、こんなにも胸が弾んでいる。


『綾音、少しだけ待っててくれる?俺が整理し終わるまで』


綾音は俺を見上げて、首を傾けた。


『全部が終わったら、迎えに行くから…』


こう俺が言うと、綾音は顔を真っ赤に染めた。
そして目を泳がせ、俺に笑顔を見せる。


あと少しだと思った。
俺が求めている幸せな世界まで、あと少しだと。


『あ、そうそう。綾音、上野樹里って子知ってる?』


俺は綾音の腰に手を回して、綾音を見ながら質問をした。


ずっと気になっていたこと。

ブロンド髪の青い瞳の女の子。

上野樹里─…



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