かけがえのないキミへ


そんな竜也に違和感を感じる。

またなにかあったのか?

『どうかしたか?』


《別に…なんにも》


いや、なにかあるな。
不思議そうに俺を見る梨花に、俺は指示をした。『先に行ってろ』と合図すると梨花は小さく頷いて、学校へと入って行った。


な、竜也─…
俺さ、聞いて欲しいんだよ…お前に…



『今からお前ん家行っていいか?話があるんだ』


《俺も…話がある…》


『じゃあ行くから待ってろ』


こう行って電源ボタンを押した。
携帯をぱちんと思い切り閉じて、握りしめる。
そして一歩踏み出した。太陽の光で熱く照らされているグラウンドに…


『怜!!』


すると後ろから梨花が俺の名を大きな声で呼んだ。
俺は梨花の声が聞こえてくる方へと体を向ける。


『なにー?』


『伝わるといいね。怜の気持ち…』


笑顔で梨花は俺にこう言った。


悲しいはずだろ?
辛いはずだろ?



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