かけがえのないキミへ
『いない、か…』
俺はがっくりと肩を落として、ベンチに座った。
まだ体には先生との行為で出た汗がべたついている。
俺はカッターシャツの胸元をぎゅっと握り、先ほどのことを思い出しては、後悔をする。
『くそ…』
あのことを消したくても、消えなくて…
先生とひとつになった余韻がまだ残っていて…
俺はバカだな、と思わせる。
今日は月が雲に隠れていた。
眩しいくらい鮮やかな黄色が薄暗い雲に隠れてしまっていて…
こんな俺、見たくない?
まるで、俺の存在自体を拒否しているようだった。
月にも嫌われて、世界にも嫌われて…
悲しみが込み上げる。
いつか、好きな人と付き合いたいと…
いつか、好きな人と肌を合わせたいと…
いつか、幸せになりたいと…
こう夜空に向かって投げかけた願いたち。
いつか……綾音と─…