君に恋した瞬間、
ガチャっと無駄に大きい家のドアを開ける。
と、途端に体に重みがかかり危うく後ろに倒れるところだった。
「しゅっんぺー!おっかえり~」
無駄に高い声。
頭がキーンとする・・。
俺はその人を引き離し、呆れたようにじっとみた。
うざいぐらいに、ニコニコと笑う。
もうため息しか出ない俺は、軽く髪を掻き揚げて何も言わず横を通りすぎる。
「ちょっと、俊平。なんか言いなさいよー久々に帰ってきたんだから」
ぐっと腕を掴んで、不満そうにそういう。
・・・だから、何?って話なんだよ・・。
誰が帰って来いって言った?
誰があんたの存在を望んだ?
「・・は?離せ」
少し強めに腕を引くと、簡単に取れてしまった手。
・・・どうせ、その程度しか引き止められないんじゃん。
だったら最初から、引き止めんなよ・・。