君に恋した瞬間、
携帯を机において、俺はベッドに倒れこんだ。
今でも、腹が立つ。
全て、あの女(ヒト)のせい。
全部、あいつが悪いんだ。
苛立ちが頂点に達する直前、家のインターホンが訪問者を知らせた。
あの女の客なはずがない。
来たといっても今日のうちなのだから、そんなやつに訪問客など来るわけが無い。
じゃあ、俺?
・・・つっても、俺しか限られないけどな。
階段を降りる最中で、あの人が俺を呼んだ。
・・・客引きの声で呼ぶなよ。
あの人の言動一つ一つに腹が立ってしまう俺は、まだ弱いな。
完璧に無視できるようになんねぇーと。
玄関の前で顔を上げると、杷仔が立っていた。
嬉しそうに笑って話をしている。
あいつも、会うの久しぶりだもんな・・・。