君に恋した瞬間、
そりゃ、あんな喜んだ嬉しそうな顔するよな・・。
だけど、俺は極力杷仔とあの人を近づけたくなかった。
自分勝手で最低な女を、純粋で優しい彼女に会わせてしまうと彼女が駄目になってしまいそうだから・・・。
何よりも、杷仔は杷仔で居て欲しい。
あんな最低な人間といていて欲しくない。
「杷仔」
遮るように、杷仔の名前を呼んだ。
あの人の顔が俺に向く。
杷仔は、一瞬驚いた表情をしたあと、またいつもに笑顔に戻った。
「俊平ー、明さんいるんだったら言ってよ~!」
「別に、言う程の事じゃないだろ?・・で、何用?」
「あ、俊平の部屋上がっていい?」
「・・・どーぞ」
把仔は、嬉しそうに俺の部屋へと行く。
そんな俺達をあの人は呆然とした顔で見ていた。