-呪歌-

一点を見つめてピクリとも動かない晴海を見て、恐る恐る声を掛ける陽子。


「・・・晴海?どうしたの?」


晴海はゆっくりと皆のいる方に顔を向けた。


「い、今女の子がそこに・・・・!」


さきほどまで少女が立っていた辺りを指差しながら、震える声で答えた。


いつもなら、冗談だろ?と茶化すであろう信二も、晴海の尋常では無いその様子を見て表情を曇らせる。



「口から血が・・・血がいっぱい出てて、笑ってて・・・歌を歌い出して・・・」


ガタガタと振るえながら、晴海はその場にへたり込んだ。


「歌?」


武が眉をひそめながら問う。

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