-呪歌-
なんと父親の足元には、あの女の子が、赤い赤い口元に笑みを浮かべながらまとわり付いている姿があった。
「いやぁっ!!!
父さんから離れて!!!!」
思わず叫ぶ。
急に大声を出された父は、慌てて振り向き陽子に言った。
「な、何だ???」
だが、陽子は父の足元から目を逸らせないでいる。
霊の表情はみるみる曇り、陽子の父親の太ももを、所々茶色く変色した手で引っ掻くそぶりをしながら、
『・・・・ハルチャンノ オトウサン ダヨ・・・・』
と、しかめた顔で言いながら消えて行った。
「おい、陽子?どうした?」
父が怪訝な顔をして尋ねる。
「・・・・ううん、何でも無い」
父と目を合わせずに、荷物を手に取り玄関へと向かう。
私のお父さんに何をしようとしていたの!?
私の大切な家族に何かしたら、ただでは置かないんだから!!
陽子の胸には恐怖心より怒りが込み上げてきた。
一刻も早く、呪いを解く方法を見つけなくては・・・
陽子は決意を新たにする。