-呪歌-
力無く両手を前に伸ばした春美の霊は、顎が外れるんじゃないかというほど、大きく縦に口を開け、
『ゲェエェェエエェェ』
と、おぞましいうめき声を上げながら、ゆっくりと信二に近づいていてくる。
晴海は、この手に捕まり、あのように凄惨な最後を遂げたに違いない。
直感的に危険を察知した信二は、一歩一歩近づいてくる、春美の霊の斜め横を走りぬけ、霊の背後へと逃げる。
ジリジリと後退し、距離を取る信二の方向へ、ゆっくりと体を向け始める春美。
信二のかかとが本棚に当たる。
背中を本棚にぴったりとくっつけ、そのままズルズルと座り込んだ。
「何でだよ・・・・
質問には答えたじゃないか!!!」
すると霊は、無言のまま指をさす。
その先には・・・・・