ナンパ男との恋
廊下に突っ立って
自己嫌悪に陥ってる暇なんてない・・・

とりあえず、近くにいた
3年生の男の子に

「逆瀬川くんって知りませんか?」

「逆瀬川?何人かいるけど・・・
下の名前は?」

名前・・・?名前・・・
 すら知らない。

こんなに自分が最低な奴だったなんて・・・

「分かんない・・・」

「あー・・・えっとねぇ・・
ちょっと待ってて?」

しばらく待つと その人は
誰かを連れてきてくれた。

「こいつも逆瀬川だけど・・
その様子だと違うみたいだね・・
じゃあ・・・どんな感じの人?」

「少し短めの髪で・・・
茶色のメッシュが所々に入ってて・・
目がクリクリしてて・・・
可愛い感じの人・・」

「あ、分かった分かった。
じゃあ 隣のクラスの奴だ。
ちょっと待ってて?」

そう言うと
逆瀬川くんを連れて来てくれた。

「この人?」

「そうです、ありがとうございました」

「いえいえ、じゃあ・・」

親切な人で良かった・・・・

「佐々木さん?どうしたの?」

少し驚いた様子の逆瀬川くんが
不思議そうな顔をしていた。


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