もっと、生きてほしかった……
「ハハッ……
海斗くんにそんなこと言われるとは思わなかったよ…。
僕が患者の願いを優先的に聞くのには理由があるんだ……。」
先生は、力なく笑ったあと急に神妙な顔をして、私たちを見た。
そして、語りだした―――。
先生が生きてきた過去のことを……――――
「僕が高2の時。
今までキミたちには言わなかったが、姉貴がいたんだ―――」
先生の…お姉さん……?
それが、きっかけなの…?
でも、今まで聞いたこと無いよ?
他の先生からも、先生にお姉さんがいるなんて聞いたこと無い……――――
「聞いたこと無いって顔してるね(笑)
まぁ、知らなくて当然だ……。
僕の姉貴は、
僕が高2の時に、
亡くなったんだから―――。」