インターン・シップⅡ

そんなのありえな過ぎる。


だって…いつだったか、「俺らは恵まれてる」って社長が自分で言ってた。


大体、社長が苦労人だなんて…絶対ない。


「……コーヒー…冷めちゃったから新しいの淹れてくるね。

あ、ついでにジュンのも淹れてくるわ」


沈黙に包まれてた微妙な空気を変えるかのように、絶妙のタイミングでそう言ってリカさんは席を立った。


「あ、あぁ…悪いな」


そう言いながらジュンさんはチラッとリカさんを見た。


するとリカさんはお盆にカップを乗せ「ごゆっくり」、そう言って部屋を出て言った。


2人が見せたその一瞬のやりとりで気づいてしまった。


リカさんは…天然なんかじゃない。

さっきのあれは…絶対演技だ。


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