合縁奇縁~それでも愛は勝つ


木村裕樹(キムラユウキ)。


雄輝と同じ名前の女の子。

ちょっと気になる存在だったのだ。


その母裕子さんは、あたしより、多分少しだけ年上で、大きな会社に勤めるキャリアウーマンらしく、身なりも物腰もとても素敵な女性だった。

形振り構わず、毎日汗だくで働くあたしとは、ちょっと住む世界が違うって感じ。

でも、そんな身分の違いも飛び越えるところが、この保育園社会の面白いところなのだ。

ここに子供を通わせている限り、どんなお偉いお医者さまでも政治家でも、大企業の重役だって、スーパーのパートやお掃除おばさん、あたしのような肉体労働者もみんな同じ保護者の列に並ぶわけ。

その立場は対等で、仲間意識さえ芽生える不思議な関係なのだ。


その日の懇談会の主な話題は、子供の生活リズムについて。


朝早くから夜遅くまで働く、共働き家庭やあたしのような母子家庭では、子供を早く寝かしつけることが最大の課題であり難題なのだ。

夕食は当然遅くなるし、お風呂へ入れ、家事を済ませ、翌日の準備や持ち帰った仕事に手を出したりしていると、あっという間に夜は更けて行く。

昼間親と離れている子供は、なんやかんやと纏わり付いて、自分に注意を向けようと必死になるものなのだ。

ぐずりながらも、なかなか寝ない我が子に、痺れを切らしてつい手を上げる、なんて話も良く聞くし。

そんな気持ちもわかるから、こうやってみんなで集まって、先輩の体験談を聞いたり、愚痴をこぼしたり。

みんなで知恵を寄せ合って、ワイワイやって、仲間意識を高める。


これも一種のストレス発散?
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