魔王に捧げる物語
誰かを好きになって、本当に好きになって……嫉妬して、見苦しくたって涙は止まらない。
そんな余裕なんてなかった。
それでも一線を越えればこんなにも変わって、
暖かくて安らぐ腕と翼に包まれて眠ることが、たまらない幸福感を感じた。
愛されていることがこんなにも嬉しく、甘いものだなんて知らなかった。
だから、せめて今はこのまま幸せな微睡みに浸かりたい………。
きっと………この日はわたしにとって、生涯忘れることのできない日になる。