魔王に捧げる物語
一面の雪は悲しくもあり、とても心が穏やかにもなる。
底の見える魔力に驚きと安心を感じた。
力を尽くし、この世界を守った証だから………。
柱を安定させて定着させれば役目は終わる。
それだけではないが、今出来るだけをして。
自分はきっと………。
「ミラ………」
唇が勝手に動き、愛しい人の名を紡ぐ。
逢いたい。
醜くても、その時が来る前に………。
「会いたいよ………」
否、
会うんだ。
例え、消えてしまうとしてもその前に!
もしも消えても、
「会いにいくよ………この世界を満たす魔力に溶けて、
姿が見えなくても………」
いつだって側に。
触れられなくても、包み込む。
ニルは伸ばした両手で空を抱く。
叶わなくても、そうしたかった。