魔王に捧げる物語










ミラはひたすらに進んでいると、視界の先に黒いものが見えて走った。


散り散りにはなっているが………。



あれはきっと!



そう思って走る。



やがて着いたその場所には、おびただしいほどの黒い羽が抜け落ちていた。



彼の羽を見間違えたりはしない…………。



これはニルの羽だ。



少しだけ心が暖かくなる。
ニルがいた証拠だから………。


追い付いてきている証だから………。




きっともう少しで会える!

ミラは力強く立ち上がり、再び走りだした。



足跡がなかったとしても、ほのかに輝く金緑の光が彼の足跡を教えてくれる。



世界は反転し、歪んでいた。


それでも自分は行ける。


彼がいるから。


愛する人がこの先にいるから………。





ミラは一生懸命に雪道を走り必死になって追いかけた。



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