魔王に捧げる物語
あらゆる事が人を遥かに越え、生物の常識を無にする存在。
神に等しい………。
と感じる。
神は実在しないかもしれないし、するのかもしれない。
想像が及ばずとも………魔王は近いものがある。
イオは様々な思いでニルを見つめた。
「………後は私が責を負います」
「任せるよ。俺にも出来ない事はあるから」
全てが出来たらきっと世界は腐っていく。
出来ないからこそ世界は繁栄するのではないか……?
ふと湧いた疑問を問う。
「魔王様、」
「なに?」
「私は未熟です……ですが、この世界がとても愛しい。
柱としてではなく、生きる全てを守る事が出来るから。
あなたも、そうなのですか?」
ニルの瞳は宝石よりも澄み、混じる金が光る。
「俺は人間だけでなく、全てを想っているよ。
特に人間は好ましい、浅はかな者もいるが……、
真剣に世を見つめ、努力し進化を続けようとする」
「…………」
「互いに助け合い、家族を作り町を国を広げ……、
死ぬ時まで歩みを止めない。
泣いても笑っても、輝きを失わない……」