魔王に捧げる物語
ニルは震えるミラを隠すように向きを変えて抱き、大きな翼と自身の胸に埋めた。


「………イリス、相変わらず想像力が逞しいね。だが、現実と妄想の区別をつけるべきだ」



「そんな冷たいところも素敵ですわ。それに、私これでも一国の皇女ですもの!相手として不足ではないと思いますの」


「この飽和状態の魔力の中で、堂々と俺に近付けるのは驚きだけど…………空気読んでくれない?」



ニルが少し目を細めると、少女の目の前に雷が落ちる。


「下がれっ!!!」


慌てたようにエリュオンが叫ぶと同時に、少年が走り出してイリスを背に庇う。


ニルは再びエリュオンを見つめ、


「妨害が入ったけど、お前を許すつもりはない。面倒がないよう、更地に「その辺にしないか、ニル?」」



どこからか現れた新しい人物出現によって遮られた。




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