魔王に捧げる物語
「抱きしめてもいい?」
ニルがミラの涙を拭いながら言った。
確認されるのは恥ずかしかったが、ゆっくり頷くとギュッと抱き締められる。
彼の纏う百合の香りが鼻腔を満たし、少し冷たい体が泣いた事によって火照った彼女にはとても心地がよかった。
華奢な肩にコツンと額が乗って、そのまま暫く抱き合っていると、
何か思い出したようにニルが呟いた。
「……ミラに謝らなきゃいけない事があるんだよね」
「………??」
何かされただろうか?
不思議に思いながら首を傾げると、微妙に目を反らされる。
「ミラのいた所に、黒い小さな鳥が………来てたよね?」
そういえば!
と、思い出したミラはいろいろな事があって忘れていた小鳥が急に心配になった。
何故ニルが知っているのかなど、それどころではない。
「鳥さんがどうしたの!?」
「……………」
もったいぶらないで欲しい!!