￥時給1000万円

「…あいつは……………あいつは確かに借金をつくっては俺に更に金を借りた……。そして俺に借金を押しつけたまま この施設の従業員になって ある意味逃げるようなこともした……。…そんな奴だけど…………奴は今まで俺に嘘をつこうとはしなかった…。完全に俺の前から消えようとはしなかった…。……この施設の場所を教えてくれたのもあいつだ…。そんな奴が嘘をつくはずがない……。……自分の死によって借金の返済もした…しかも予定通りに……………………だから…このメモ書きも…！」
「………フンッ…！好きにするがいい…！…………後悔するぞ…！」

………クソ！…このガキが…

一瞬だが彼は若い男を睨み、永井はその瞬間を見逃さなかった…

「……まぁどっちにせよあなたには800万の借金があるわ…！」
オーナーが口を開いた。

「…あんたたち…もう放しなさい。」
兵士たちはゆっくり男の体を解放した。

若い男は服を整えながら兵士たちを睨んだ。

大根のような太い足が鈍い音を奏でて男に近づく…
「…あなたには２つの選択肢があるわ…！……１つは、これまで通り儲かる確率が低い この賭けを続けるか…………………………そして２つ目は……従業員になって確実に大金を稼ぐ…か…！」

オーナーの表情からして 何かを企らんでいるようだった。


…果たして男はどちらを選ぶのだろうか……