¥時給1000万円



そして開票…


兵士たちがぞろぞろと入ってくる。
もちろんあの兵士も入ってきた…。
永井はずっと動きを目で追っていた。


そして様々なことが頭をよぎる…

常連客が述べる必勝法、従業員が口々に話す言葉、オーナーの発言、手紙のヒント、大島の言葉…



ホントにこのまま無事に一週間を迎えることができるのか心配でならなかった…。

まずは大島の無事を祈るしかない…



「…二葉!…永井!……小向と永井…!!」
名前が次々に呼ばれる。

「…佐田…!松本!!…佐田!二葉…浜風…!横田!…櫻井…!…二葉!…中村!」
だいたい誰もが一度ずつ呼ばれている。



すると、突然右から声をかけられた…
「クククッ…俺、この時間で終わりなんだぜ!」
永井は最初自分に話し掛けられていると気づかなかったが、話の内容に驚き そちらを向いた。
「…えっ!?」
「…まだ誰にも言ってねぇんだけどよ…今日で一週間なんだ!」
男は櫻井とよくつるんでいる奴だった。身長が高く髪を重力とは真逆に逆立て、白い顔から不敵な笑みをこぼしていた。
「え…!!じゃ…じゃあ…」
「…そう。俺はここを出れる!!クククッ…!クソッ!笑いが止まらねーぜ…!」

そして…
「……あの…名前は…」




「……横田だ!よく覚えておくんだなっ!」


この人が横田…
櫻井と共に灘をひやかしていた。
今も仲が悪いのだろうか…?
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