¥時給1000万円
「…では順位を発表する!!」
「…ちなみに俺は4票!!安全圏だなっ!」
横田がウキウキしながら横で喋る。
「…1位!12票で…二葉!」
おおーっという歓声が二葉に向けられる。
今ここにいる客は12人…つまり満票だった。
「…つづいて2位…!……10票で佐田!」
拍手が送られる。
「…3位!…7票で同票…永井と櫻井!」
「櫻井さすがだー!!」
横田が櫻井を称えた。
それに返すように櫻井は手を挙げた。
結果発表は続き、いよいよ終盤に差しかかる。
未だに呼ばれていないのは…
「さぁて…残り3人ねー!…浜風ちゃんとぉー、渡部ちゃんとぉ、そして横田ちゃんね!」
そう横田はここにきて未だに呼ばれていなかった。
しかし横田はまだ余裕の表情で満ちていた。
なぜなら…先程通過した中村が5票だった。
つまり次に呼ばれるのは4票である横田だ!
クククク…終わるぜ!
そして始まるぜ!俺の裕福な生活が…!!
辛かった…!
ここまで耐えた成果がやっと報われるんだ…!
横田の家は貧しかった。
借家に家族5人で暮らしていたが、自分がまだ物心つく前に 父が家からいなくなった。
母が言うには、父はちょっと遠くへ出かけに行った らしいのだが、今になってみればそれは嘘だということに気づく…。