¥時給1000万円

「…オヤジはどこ行きやがったんだよ!!」
母に怒鳴っても答えは返ってこなかった。

母はスーパーで働き始め、その僅かな収入で 自分と息子3人を支えていかなければならなかった。


そして長男である自分は…
母がパートへ行っている間に荷物をまとめ、アルバイトで貯めた金を使って引っ越した。
『おふくろへ。

家を出ます。
そしていつかオヤジに会ってボコボコにしてきます。』

高校は行かなくなり、中退…
アルバイトの方は正社員にしてもらい、毎日自分の生活を養うために働いた。
母には悪いと思いながらも生活を続けて行く…
たまに電話をかけるも、母はただただ謝ってばかりだった…。


そして大人になった自分は、父に似始め、金遣いが荒くなっていった。
高校中退組とつるむようになり、仕事には行かなくなり ただ金を浪費していく…


いずれ金は底をつき 母のもとへ行こうとしたが、足が止まった。
もう迷惑は かけたくない…


結局またバイトの情報誌を広げて……今に至る。



これでまた家族4人で暮らそうと…そう決意した。

そしてすぐにキレる性格と、誰かを踏み台にする性格を改めていこうと…
< 210 / 392 >

この作品をシェア

pagetop