Sin(私と彼の罪)
「あ?なんだよ」
灰を落とさないように手早く灰皿に煙草を押し付ける。
そんな俺の反応をみて、眉間に皺をよせた。
「そこは私の特等席なんですけど」
「は?ソファが?」
「うん。返せ略奪者」
「うるせぇ。俺も気に入ったんだよ。悪いか」
「悪いわ、アホ」
「ハイハイ」
適当に流すと、余計にむくれた顔をした志乃が仁王立ちをしていた。
本気で怒らしたのだろうか。
「どうしたんだよ。志乃チャン」
俺は涼しい顔で言ってのける。
「どいて」
志乃は素直じゃない。
おまけに強気で、短気だ。
「どいてほしい?」
「うん。はやく」
「お前がここくればいいだろ」
俺はぽんぽんと、自分の腿を叩いた。
彼女に目配せをする。
志乃は、プライドも高い。
しかし、そういう女こそ、自分のものになったときの快感は深い。
そういう女こそ、一度はまったら抜け出せないものだ。
「…ムカつく男」
「知ってる」
白くて細い彼女の腕をつかむ。
そのまま引き寄せると、素直に志乃が膝をつく。
少しだけ起き上がって、彼女にキスをした。
柔らかな唇が、戸惑いながらも俺を求める。
それを嬉しく思いながら、より深く唇を押しつけた。
熱い舌を忍ばせる。
彼女は既に、俺のものになりつつある。
それを、確信した。