Sin(私と彼の罪)
「……………」
服を脱がせて今更気付く。
元々ガリガリで不健康な体つきではあったが。
「……お前、痩せた?」
色素の薄い彼女の体は、折れそうなくらいに弱々しかった。
腕なんて、子供のよう。
それこそ骨と革でできてるみたいだ。
「ダイエット中なの」
組み敷かれているというのに、なんとも強気な女だ。
志乃は口をとがらせる。
だが俺は聞かない。
「嘘だろ。最近確かに食ってなかった」
「だから、ダイエット」
「アホ。痩せ過ぎ」
そう言えば、くまもできている。
明らかに疲弊しきった顔をしている。
どうしてさっきまで気が付かなかったのか。
俺は志乃の体を指でなぞる。
熱をもったそれは、綺麗に脈打つ。
…ああ、そうだ。
さっきまで熱烈にキスしてたんだった。
「お前、食えないんだろ」
「……」
志乃は何も言わなかった。
俺は肯定だととらえる。
過去にこういう人間を何度か見たことがある。
まあ、状態は志乃より数段酷いが。
…何かあったに違いない。
そう確信する。
「言えよ。何があった」
「なんにもない」
「言え」
「いや」
チッ。
めんどくせぇ女だ。
可愛げがないし、意地っ張りで頑固。
本当、めんどくせぇ。
俺は志乃の頭を両手で鷲掴んだ。
そのまま自分の額にくっつける。
「言えよ」
「…やだ」
「言え」
「……や」
「言うまで放さない」
「…バカじゃな」
言い終わる前にキスをする。
強く唇を押し付け、志乃に息をさせない。
舌を官能的に動かせば甘い吐息が漏れた。