君がいる街
落ち着いて辺りを見渡せば、何時ものこじんまりとした自分の部屋だった。
何を、慌ててるんだ。らしくもない。
ベッドの上に座ったまま、はぁと一つため息をする。基哉はもう起きているのだろう。リビングの方からはもう、テレビの音が聞こえてきた。
未だに耳に残っている、姉貴の楽しそうな声。少々天然で抜けてたけど、俺には凄く優しかった姉。
だからだろうか。
姉貴が彼氏の話をしだすと、何か今一つ面白くなくて。繰り返される同じ話のオンパレードに、あの日は姉貴の話しも聞かず、電話を切ってしまった。
もう二度と。
その声が、聞けなくなることも知らずに。