インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
デパートのトイレで着替え、見よう見まねで化粧した。



マックでなにかのセットを食べると、また外をぶらついた。



大都会に来て
見るもの聞くもの
すべてが新鮮とかいうけれど、

あたしはちがった。



べつに
感動なんてなかった。



浮かれてる暇なんてなかった。





生きるために
あたしは渋谷にいた。





男の視線。




痛いほど感じた。



それがいま
あたしの望むもの。




ナンパ。




街角に立ってれば
いくらでも声をかけられた




ごはんをおごってもらい、一緒にプリクラを撮る。



それだけでも
お金をくれることもあった。



ホテルに行くのは
お金がないときだけ。




普段は
知り合った男の部屋を泊まり歩いた。



ただし、
そのほとんどが
カラダを求めてきた。



べつに
嫌じゃなかった。



抱かれてもいい。
< 118 / 417 >

この作品をシェア

pagetop