インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
ただでさえ
鬱蒼としてるのに、
日が落ちかけ、

さらにそれだから、
ますます不気味。



まるで幽霊屋敷。



当然、
人の声もしなければ
明かりもついてない。



生活の営みを示すものなど
ひとつ存在してない。



ぴたりと
時間が止まってしまったよう。



それは
心の奥底にいつまでもくすぶり続け、

たまに
ぼわっと燃え盛っては
あたしをひどく苦しめるものとは大違い。



暗い過去。

汚れた記憶。



そんなものを深く刻んだ、
痛いほど傷つけた場所で

あることなど知らなかったとでもいうように静かに佇んでる。



しかし
眠っているのではない。



もう
起きることはない。



完全に
死んでいるのだ。



なんの
感慨もわかなかった



べつに
蘇ってくるものない。



すると、
なにもかもが
急に馬鹿らしくなった。
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