Sin〜AfterStory
「……悪かったね、いきなり連れ出したりして」

窓の外を何度も振り返るシンに、犯人――花屋のおばあさんは寂しそうに謝った。

「ずっと、あんたと楽しくしてる八百屋が羨ましくてね。一度あの石頭に頼んだんだが、にべもなく断られてさ。だからこんな事したんだ」

驚かせて悪かったね。

そう言うおばあさんの目が、すごく寂しそうで。

シンはふるふると首を横に振り、テーブルに並んだおやつを指差して言った。

「あぃあ、ろ」

にこ、と笑うシンにおばあさんの瞳がほんの少し潤む。

「ほら、いっぱいお食べ。ああ、ストローの方が飲みやすいかね」

「ん、」

シンはフォークに刺したパイを落とさないよう慎重に口へ運んだ。

一口大に作ってくれたミートパイはとても美味しくて。正直、ジャックが作るそれよりも1.5倍くらい美味しかった。

ピーマンが入ってない事がその秘訣だ、とシンは一人頷く。これはジャックに教えてやらなくちゃ。

「美味しいかい?」

頭を撫でてくれるおばあさんを見上げ、シンは頷く。

嬉しそうな青い瞳に一瞬、優しかった頃の母親の姿が重なった。


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