Sin〜AfterStory
『シン、美味しい?』

一瞬、はっきりと蘇った母親の笑顔。

『よかった。また作ってあげるね』

もう、そんな風に優しく微笑んでくれる事は無いのに。

そう我に帰った瞬間、胸の辺りがぎゅうと痛んだ。おばあさんをじっと見上げているシンの瞳にうっすらと涙が浮かぶ。

「どうしたんだい?」

その事に気がついたおばあさんは、柔らかい銀髪を優しく撫でて尋ねた。

「んん、」

シンは慌てて俯き、目をしばたたかせた。やだな、何で今更思い出したんだろう。

ぽとりと膝に落ちた滴の意味を違う理由に取ったおばあさんは、小さく息をついて謝った。


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