月の恋人



「どうして、そんな顔をするんだよ…。」



翔くんは

あたしが翔くんに対して思った事と

まったく同じ事を、あたしに聞いた。






「翔くん…こそ… どうして、そんな顔、してるの?」



何かを言いたそうな

でも、必死で我慢しているような

声にならない、その想いは……








「……陽菜ちゃん…」






…… それ以上、見られたくないと、言っているようだった。



引き寄せられて、抱き締められる。

こうやって、2人になるとすぐにくっつきたがる翔くんは、まるで子どもみたいだ。



< 318 / 451 >

この作品をシェア

pagetop