月の恋人



『俺たちには、陽菜ちゃんが、必要なんだ』




月(アナザー)には、太陽(私)が。

そう、なぞらえて言ってくれた翔くんの言葉を思い出す。





でも、外に出て、

そのあまりに強大な存在の一端に触れて

改めて、自分の小ささを、実感した。




あたし、お日様なんかじゃない。

“陽”菜、なんて。

名前負けにも程があると思った。





―――… よわむし。




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