月の恋人
「…………ッッ……!!!」
ママの背中越しに、少しだけ見えた
風景に、思い切り溶け込まない、金色。
あたしは、
下まで降りられずに
階段の途中で立ち尽くす。
誰!?
あの金髪は
誰ですか!??
まさか…
まさか………
まさかまさかまさか……
目の前に広がる現実を
あたしが何とか
否定しようと
ジタバタするのも虚しく
弟の、涼の声が
あたしの背後から
ダメ出しの一発を喰らわせた。
「うおーー!翔!!それ、超カッケー!!!!」